ANA時刻表の変遷 ~その1~

ANA

懐かしのANA時刻表を見ながらANAの路線網の拡大を見ていきます。今回は過去の表紙からANAの成長を見て行きます。

ANAの時刻表の終焉

ANAが長年発行してきた紙の時刻表は2021年の1月に発行が終了しました。航空券の予約が355日前からできるようになっても紙の時刻表は2か月先までしか提供されていなかったため、2か月以上先の時刻表を知るためには結局ウェブサイトを使用することになっていました。

そのため、紙の時刻表の廃止という話が出てきたとのことです。自宅に紙の時刻表の一部を保管していたので、その表紙を見ながら、ANAの歴史を紐解いてみたいです♪


表紙の違いから便宜上、第1期(全日空時代)、第2期(ANAグループ時代)、第3期(大判時代)と分けて見てみます。

なお、時刻表の保管は場所をとるため、表紙部分のみ取り出し、中身は廃棄しているため、中身を確認できるものは少ない。。。

第1期(全日空時代)

第1期に分類した表紙の特徴は全日空と書いてあること。2003年4月からANAと呼称を変えるまでは、 全日空 という名称を前面に出していました。

一説には全日空は中国語だと、毎日(席が)空いているというような連想がされるから、印象が悪いと判断されて変更したとか。主たる理由はANAのほうが英字で全世界で統一感持ってオペレーションできるからであろう。

2002年夏版

現在持っている最古のものはピカチュウが可愛らしく登場する、この2002年の夏版である。

細かく見てみると、いろいろ懐かしい表現がある。書き出してみると、、、

  • ポケモンとのコラボ (当時はポケモンジェットがあった)
  • 割引運賃の名称が超割 (その後、旅割となり、今はSuper Value)
  • エア北海道の存在
  • ANA創立50周年

一部の中のページも残っているので、そこを見てみると、またまた懐かしいJASのロゴを発見!! 当時は東京大阪間をシャトル便として共同で販売していたのですね。

この国内線ドットコムは2000年に設立されてインターネット販売の黎明期にJAL/ANA/JASの共同出資で設立されたものです。2016年には役目を終えたということで閉鎖されました。

ただ、現在のほうが使い勝手がよく、東京(羽田)大阪(伊丹)間のフライトは、ANAは毎時0分、JALは毎時30分発となっている。

機種についてのところには懐かしの機種が並ぶ。ボーイング747-400、ボーイング767-200、YS-11、フォッカー50などなど。

2002年11月~2003年3月

この期間の時刻表の表紙は全てあるようです。

当時はSMAPとコラボしていたようで、5人の映った写真が表紙を飾っている。

また、スヌーピーのコラボもありますね。スヌーピーとのコラボは現在でもANAセールスが行っているので、続いているのですね。

当時の携帯はガラケーしかないので、携帯の写真もこんな感じになるのですね。

第2期(ANA時代)

前半(コーポレートスローガンあり)

2003年4月からはANAグループ時刻表に生まれ変わっている。

さて、ここでJALとJASが合併したことにより、先ほどの東京大阪シャトル便にも変化が出てきます。

まずは、ロゴがANAとJALの2つになり、JALもサンアークのロゴに変更。時刻表も現在の原型となるような、整理されたダイヤへの変更が進んでいますね。

当時はバースデー早割という運賃もあったみたいですね。全路線全便1万円はお得!!

後半(コーポレートスローガンなし)

2005年の時刻表は手元にないため、一気に2006年に遷移。この時になると変化がないようで実はいろいろ変化している。2004年12月に羽田空港第2ターミナルが開業しているので、その頃の時刻表も欲しかったところではあるが。。。

書き出してみると、

  • エアーネクストとエアーセントラルが増え、エア北海道がなくなっている
  • フェアリンクがIBEXエアラインズに社名変更している
  • コーポレートスローガンがなくなっている
  • 国内線割引運賃の名称が超割から旅割に変化している
  • 国内線シャトルのページがなくなっている

2006年6月には成田空港のターミナルを第2から第1南ウィングへ引っ越ししている。これにより、スターアライアンス各社が集結することになった。もともとは新しくできた第2ターミナルを日系2社、その他が第1ターミナルという使い分けであったが、アライアンスの重要性が増す中、引っ越しということになった。

この名残もあって成田空港第2ターミナルにはANAフェスタがある。(逆にJALのBLUE SKYは第1ターミナルにはない。)

そして、2006年の10月には今では当たり前になってきているスキップサービスが登場する。荷物がなければカウンターによらず、直接保安検査場へ行くスタイルはもうかなり定着してきていますね。因みに、今でもこのキャラが使われています。

空港案内を見てみると、羽田空港第2ターミナルの南ピア側がまだ完成していないことですね。

この時のプレミアムクラスはスーパーシートプレミアムと呼ばれていたいました。2008年にはプレミアムクラスと名称を変更し、今に至ります。

第3期(大判時代)

羽田国際線就航前(2010年10月まで)

2006年10月の次は2008年9月しかないのだが、その時にはA5サイズの大判にサイズアップしている。

この頃は、まだボーイング747-400のジャンボジェットが残っていたころ。2階席は憧れですね。

2008年11月の時刻表は国際線の時刻表が丸っと残っているのでちょっと見てみると、ポイントを書き出してみます。

  • 北米5都市
  • 欧州3都市 (パリとフランクフルトは744で運航)
  • リゾート2都市 (グアムへは関空から)
  • 東南アジア4都市 (ムンバイはビジネスジェットでの運航)
  • 東アジア3都市 (ソウルは仁川と金浦の2空港に就航)
  • 中国9都市 (上海は浦東と虹橋の2空港に就航、名古屋から天津、広州に就航)

羽田国際線就航

2010年10月に羽田空港の国際線は大きく変わりました。これまで国際線は成田、国内線は羽田と住み分けしていたのが、この時に羽田で国際線の就航が解禁され、今までチャーター便扱いだったフライトが正式な定期便としての就航しました。

この時に拡大されたのはロサンゼルス、ホノルル、シンガポール、バンコク、台北。台北を除くと深夜便での就航になり、羽田の特徴を活かせる時刻表です。

この頃が紙の時刻表も全盛期のようで、盛沢山の内容になっています。国内線時刻表、国内線運賃、国内線サービス案内、国際線時刻表が載っています。他にも最終号までついている数独も登場します。

ページ数では最終号の66ページに対して、この時は126ページでほぼ2倍ありますね。

国内線ではまだボーイング747-400が那覇便で大活躍しています。需要の観点から、この他には新千歳と福岡に就航して日本の空で見ることができました。

国際線時刻表を見てみると、現在の就航先の原点ともいえる内容になっています。不採算な部分はほぼなくなり、今でも残っている路線とダイヤばかりです。(唯一撤退しているのは成田/関空/中部-仁川。)

因みに、裏表紙はこの頃まで一貫してセゾンカードです。JALでもセゾンカードであったため、時刻表の裏はセゾンカードという時代が長く続きました。

これ以降の裏表紙はANAグループであったり、外部企業であったり、様々な広告が掲載されます。

さよならジャンボシリーズ

2014年3月にANAのボーイング747-400(ジャンボジェット)の運航は終了。それを特集して表紙は数か月にわたりジャンボジェットが飾りました。

2階席に座ることは憧れでした。ジャンボジェットはその登場から空の大量輸送を支え、特に発着回数の限られる日本の空では短距離ながらも大活躍した飛行機でした。

最後には羽田那覇の2往復だけになっていました。

2018年にはSTAR WARSとのコラボが始まり、表紙でも何度か紹介されていました。コラボの効果で国際線の機内でSTAR WARSの全作を見ることができました。

SKYTRAX社のレーティングで5 STARを獲得したことも表紙にアピールしていありますね。

総2階建てA380の投入

2019年5月には総2階建てのA380がホノルル便に投入されました。CMも大量に出し、浸透が図られ、ANAのホノルル便での存在感は大きくなりました。

ハワイ便限定ということもあり、ハワイ便では乗れませんでしたが、チャーターフライトには当選して乗ることができました。こちらで紹介しています。

いつかハワイ便で乗りたいですね。。。

2019年7月からの時刻表には開催1年前ということもあり、東京オリンピック・パラリンピックのロゴが付くようになりました。

ここら辺の時刻表を見ている中身の時刻表も、ほぼ現在と変わらないくらいになっていますね。

最後の3冊

最後の3冊はこちらです。

最終号には丁寧に最終号との記載までされています。

紙の時刻表がなくなり、新しい時代に向かっていくことが表紙からの伝わってきますね。

裏表紙にはANAの紙時刻表の歴史と、オンライン時刻表への移行の案内が記載されています。

ここ最近の時刻表はコロナの影響がないと仮定した場合の時刻表なので、あてにならないというのが実情ですね。国際線は結局ホームページで確認しないと本当に運航しているかどうかはわかりません。

羽田の国際線配分で就航予定だった、行先の時刻表もまだ記載されたままになっています。主に欧州路線の新規就航は2021年10月以降の就航への延期が決まっています。

本当にこれだけ飛んでいれば嬉しいのだけどなぁ・・・

別冊サービスガイド

時刻表本体からサービスガイドがなくなると同時に、サービスガイドは別冊になり、シーズンごとの更新になりました。実際サービス内容はあまり大きく変化しないので、この方がコストダウンできると判断されたのでしょうね。

プレミアムクラスの案内や、運賃の案内が記載されていますね。


時刻表一つでANAの歴史をいろいろ見て回ることができますね。他にもいろいろ気づいた点はありましたが、これくらいにして、次回、2002年夏のANAの国際線時刻表を見てみたいと思います。

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