国内の航空会社
2020年6月現在の日本国内で旅客輸送をする航空会社は以下の24社。
- 全日本空輸(ANA)
- エアージャパン
- ANAウィングス
- スカイマーク
- スターフライヤー
- エア・ドゥ
- ソラシドエア
- オリエンタルエアブリッジ
- 日本航空(JAL)
- ジェイ・エア
- 日本トランスオーシャン航空
- 日本エアコミューター
- 琉球エアコミューター
- 北海道エアシステム
- アイベックスエアラインズ
- フジドリームエアラインズ
- 天草エアライン
- ピーチ・アビエーション
- ジェットスター・ジャパン
- エアアジアジャパン
- 春秋航空日本
- 新中央航空
- 東方航空
- 新日本航空
知っている会社もあれば、聞いたことのない会社もあるかも。でも、実際には乗ったことあったりする。というのも、ANAウィングスはANAの小型機を運行する子会社で、ANA本体とほぼ区別なく運行されているので、ANAに乗っていると思いきや、実はANAウィングスということも。
国内エアライン分類
これら、27社を分類すると、この図のようになる。
1. ()内の最初の3文字はICAOコード、次の2文字はIATAコード
ICAOは国際民間航空機関という国連傘下の組織
IATAは民間航空運航協会という民間の航空会社による業界団体
2. 下線のある航空会社は国際線の運航のあるもの、それ以外は国内線専門
3. ANAにもJALにも影響のない独立した3社は小型機やヘリコプターの運航を専門としている
ANA系の航空会社
ANA(全日本空輸)
日本最大の航空会社である。ANAは「アナ」ではなく、「エーエヌエー」と呼ぶのが正解。でも、国内では「アナ」が定着しているようだ。
日本ヘリコプター輸送というヘリコプターの運航から始まった純民間の航空会社。長らく国内線ばかりであったが、国際線解禁後の1986年にグアムを皮切りに国際線に就航。そこから17年間国際線は赤字の日々が続く。18年目にして2004年度に初めて国際線の黒字化を達成。
黒字化をしてから、ANAの国際線は急成長してきた。赤字の経験から、ビジネス路線重視、毎日運航で利便性を確保という路線を堅持している。
傘下にたくさんの航空会社を持ち、日本国内隅々までカバーしているが、不得意なのは沖縄などの離島。国際線では直行便で51都市に就航(予定含む)。
エアーニッポン、ANAウィングス
ANAの100%子会社で、一部ANA便の運航をしている。ともに、外観はほとんど差がないのでよほど気にかけない限り乗っていて気づくことはないかもしれない。
エアーニッポンは主に国際線、ANAウィングスは国内線の小型機の運航を担っている。
スカイマーク
もともとは独立した航空会社であったが、大型機を導入後、経営が不安定になり、ANAの傘下となった。しかし、コードシェアなどは行っておらず、独立した経営を続けている。
スターフライヤー、エア・ドゥ、ソラシドエア、オリエンタルエアブリッジ
スターフライヤー、エア・ドゥ、ソラシドエアの3社はスカイマークと同じ時期に登場した新興航空会社。しかし、どれも経営が危なくなり、ANAが資本注入し、完全にANAグループの一員としてコードシェアなど、運航を一緒に行うようになっている。
スターフライヤーは北九州、エア・ドゥは北海道、ソラシドエアは南九州、オリエンタルエアブリッジは長崎の離島を基盤として、運航路線網を構築している。
唯一スターフライヤーは国際線に進出しているが、なかなか軌道に乗っていない。
JAL系
日本航空
長年日本を代表する航空会社として君臨し続けてきたことに加え、英語社名にJapanの名前があることから海外での知名度は抜群。海外で鶴のマークを見ると安心するという時代が長かった。
このJALの天下も2010年の経営破綻までとなり、それ以降路線網の縮小もあり、ANAの後塵を拝することになった。
しかし、破綻を経験したため、経営状態は安定感がある。新型コロナの時代の中でも様々な対応を迅速に行っているように感じる。
ジェイ・エア
JALの小型ジェット機専門部隊。
日本トランスオーシャン航空、日本エアコミューター、琉球エアコミューター、北海道エアシステム
日本トランスオーシャン航空、日本エアコミューター、琉球エアコミューター、北海道エアシステムの4社はそれぞれ地域の自治体も出資している地域密着の航空会社。
日本トランスオーシャン航空は沖縄と本土各地、及び沖縄内のジェット機路線を運航。琉球エアコミューターは沖縄内の離島をプロペラ機でつなぐ。
日本エアコミューターは鹿児島の離島を結ぶ路線を中心に、隠岐などの離島へも運行。日本国内のプロペラ機での運航もになっている。
北海道エアシステムは北海道内の便を中心に運行している。札幌では郊外の新千歳空港ではなく、市内の丘珠空港を利用している。
独立系のエアライン
フジドリームエアラインズ
静岡の物流会社の鈴与が2009年に立ち上げた航空会社。静岡空港と名古屋小牧空港を拠点に小型ジェット機で運航している。
飛行機は1機1機、色が異なる。
アイベックスエアラインズ
ANAとコードシェアをしている。親会社はIT系企業の日本デジタル研究所。
天草エアラインズ
熊本県天草飛行場を拠点に飛んでいる航空会社。飛行機は1機しかないため、整備中の場合などは日本エアコミューターからリースしてもらい、対応している。
格安航空会社
ピーチ
日本発の格安航空会社。関西空港と成田空港を拠点に運航しており、格安航空会社の中では最も成功している。国際線の路線網充実させており、近隣諸国へ気軽に旅行に行くことを可能にしている。
ジェットスター・ジャパン
オーストラリアのジェットスターと日本航空の共同出資により誕生。後発であったために、市場の確保に苦戦したものの、何とか安定基盤へ。
エアアジアジャパン
今あるエアアジアジャパンは2代目。初代はANAとマレーシアのエアアジアが共同出資して誕生したが、経営方針にずれが生じ解散。バニラエアになり、ピーチと統合した。
2代目は準備に時間がかかり、就航はかなり遅れた。すでに国内の路線はピーチとジェットスターが主要路線を押さえていたために、まだ路線の少ない中部国際空港に目を付けて就航。2機の機体で今は細々と運行しているという印象。
春秋航空日本
中国の格安航空会社、春秋航空の日本法人。日本での知名度はいまいちで、どちらかといえば中国人観光客が日本に来る時の国内線として利用していることのほうが多いかもしれない。国際線も中国便のみ。
コードシェアとは
ここでちょっと解説。飛行機に乗るときによく聞くコードシェアという言葉。これは一つの飛行機の座席を複数の航空会社でそれぞれ販売すること。
例えば、スターフライヤーの飛行機の座席をANAとのコードシェアでANAがANAの座席として販売する。このことにより、スターフライヤーは自社では掴めないANAの顧客を乗せることができ、ANAは自社で飛ばしても利益が出にくかったりする路線を補完することができる。国内線よりも国際線の方がこのメリットが大きく、よく聞くかも。
あくまでもサービスは運航する航空会社に準ずるので、ANAの便名が書いてあっても飛行機が他社なら他社のサービスにはなる。
このほかの航空会社
貨物輸送も含めると、国内の航空会社は3社増える。それが、ZIPAIR、日本貨物航空、ANA Cargo。
ZIPAIRはJALが設立した中長距離をメインとする国際線専門の格安航空会社。設立して、いざ2020年5月、新規就航の予定が、新型コロナウィルスの影響で延期。でも、飛行機を遊ばせていては会社が成り立たなくなるので、貨物室に貨物を積み、バンコクを往復しています。
日本貨物航空とANA Cargoは貨物輸送のみを行う専門航空会社。ともに成田を拠点に貨物需要の多い路線を中心に投入されている。